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アメリカ空軍 135シリーズ 空中指揮機、無線中継機

EC-135C
17機発注されたKC-135Bは全てABNCPとして完成し、引き渡しの途中でEC-135Cと改称され、更にそのうちの3機(63-8055、63-8056、63-8057)はEC-135Jと改称された。
EC-135CはEC-135Aの後継機として1965年以降ルッキング・グラス圧務に就いたが、運用期間中に胴体下面にSLBM潜水艦通信用VLF(超長波)トレールアンテナ、胴体上部にHF、VLF用サドルアンテナ、NAVSTAR(航法用衛星)、SATCOM(衛星通信)アンテナなどをレトロフィットされていった。
14機のうち1機(62-3584)はEC-135Jにコンバートされ、他は1992年以降順次退役し、WC-135Cとなった。
62-3582とNKC-135Cに改造された63-8050の2機のみが2003年現在就役している。


EC-135A
ルッキング・グラス作戦向けに改修を受けたKC-135A ABNCP(空中指揮機)を1964年にコマンドポスト機としての名称に改めたもの。
機内には将官を含むバトルスタッフを乗せて24時間滞空し、核戦争勃発時における核攻撃指示権限、及びALCC(ICBM発射・管制センター)機能を持っていた。
14機作られたが、C型就役により一部の機は他のコマンドのABNCPとなった。
後に5機はEC-135P、2機はEC-135H、1機はEC-135G、1機はKC-135A(後にRとなる)にそれぞれ再改造され、残りは1992年にリタイアするまで無線中継機、予備ABNCPとして使用された。


EC-135G
1965年から1966年にかけて1機のEC-135A(62-3579)と3機のKC-135A(62-3570、63-7994、63-8001)がSACのABNCPに改造された。
A型とは外見上ほとんど差異がないが、システムが自動化されたこととミニットマンICBMのALCC機能を持つ点が異なる。
1992年に全機退役済みである。


EC-135J
17機発注されたKC-135Bのうち3機(63-8055、63-8056、63-8057)はNEACP(国家非常事態空中指揮機)EC-135Jとしてデリバリーされた。
NEACPはソ連の核奇襲攻撃を受けたときに備え、大統領を始めとする国家首脳が空中で指揮を執るためのコマンドポスト機である。
アンドリューズAFBの1000ACCSによる24時間滞空アラート(ナイトウォッチ・ミッション)はKC-135A ABNCPを使用して1962年7月1日から開始され、1965年にEC-135Jに交代した。
1974、1975年にNBACP任務はE-4Aに移され、J型はヒッカムAFBの15ABW、9ACCSに転属、EC-135Pに代わってCINCPAC(太平洋軍司令部)コマンドポスト「ブルーイーグル」となった。
なお1979年にEC-135C、1機(62-3584)がJ型に改造され、9ACCSに追加配備された。
4機のEC-135Jのうち62-3584は1992年5月に事故で失われ、他の3機も1992と1993年に退役した。


EC-135P
EC-135A、5機(58-0007、58-0011、58-0018、58-0019、58-0022)を1967年に改造して作られたCINCPACコマンドポストで、ヒッカムAFBの6468ACCS(1969年10月9日ACCSに改称)に配備された。
1974年EC-135Jの配備にともなって2機(58-0011、58-0018)はKC-135Aに戻され、他の3機はラングレーAFBの6ACCSに再配備されCINCLANT(大西洋軍司令部)のコマンドポスト機となった。
1980年に58-0007が事故で失われ、その代替機として1983年にNKC-135E(55-3129)がP型に改造され、58-0019と58-0022は1982年にエンジンをTF33に換装した。
更に1988年にはEC-135H(61-0274)がP型にコンバートされて4機体制となったが、1992年までに全機が退役した。


EC-135K
TAC(戦術航空軍、後にACC)のコマンドポスト機で戦術航空部隊の海外展開に際して指揮・管制・誘導(ヘッドダンサー・ミッション)を行なう。
1961年1月にKC-135A初号機(55-3118)がEC-135Kに改造れ、1970年5月もう1機のKC-135A(62-3536)が2機目のK型に改造された。
62-3536は1977年9月事故で失われたため、FAAで使用されていたKC-135A(59-1518)が3機目のK型とされた。
55-3118、59-1518とも1982年にエンジンをJ57からTF33に換装した。(名称変わらず)
55-3118は1996年10月15日に退役してマッコーネル基地で展示機となり、59-1518は1996年にVIP機に改造されてC-135Kと改称、ヒッカムの15ABW、65ASに配備された。


EC-135H
1966年から1967年にかけて、EC-135Aを2機(61-0282、61-0285)、KC-135Aを3機(61-0274、61-0286、61-0291)改造して作られたUSEUCOM(米在欧軍団)用コマンドポスト。
ヨーロッパにおけるABNCPのコードネームは「シルクパース」と呼ばれ、ミルデンホールの7120ACCS(空中指揮管制飛行隊、1970年1月に10ACCSとなる)が運用した。
1982年にエンジンをTF33-PW-102に換装、1988年に1機がEC-135Pに改造され、他の機は1991〜1992年に全機が退役した。


EC-135L
L型はSACの無線中継機兼コマンドポスト機で、8機のKC-135Aを1965〜1966年に改造して作られた。
装備はEC-135Aと同様だが、無線中継が主任務のためALCC機能は無かったとされる。
1970年に1機(61-0302)がKC-135A(後にR)に戻され、1992年に1機(61-0288)がKC-135Rに再改造されたが、残る6機は1992年に全機が退役した。


EC-135N
1機(61-0327)は1985年にARIA装備を外し(ノーズレドームも通常型となる)、名称を変えずUSCENTCOM(米中央軍)のコマンドポストとなった。
なお本機は当初ロビンスAFBの19ARW所属だったが、1997年にマックディルAFBの6ARW(現AMW)所属となった。


EC-135Y
1983年NKC-135A(55-3125)がUSCENTCOMのコマンドポスト機EC-135Yにコンバートされ、ロビンスAFB、19ARWに配備された。
1986年にエンジンをJ57からTF33に換装、1997年にはマックディルAFB、6ARW所属となったが、2001年には退役した。