スポッターズ的ひこうき写真館                                              飛行機


1999年7月23日 全日空ハイジャック


緊急着陸

ホールド
1999年7月23日金曜日。
平日ではあったが、会社は夏季恒例の節電協力日により休日であった。

日の長い時期に於ける金曜日という事もあり、当時まだGETしていなかったチャイナエアラインの貨物機と当時一世を風靡していた「GLAYジャンボ」狙いで京浜島へと赴いた。

何の根拠もないが夏季という事で、RW16Lであろうと考えていた。ご存知の通りRW16Lの場合、京浜島から順光となるのは午後からである。従って、少々余裕をもって午前11時くらいに京浜島へと到着した。

しかし、京浜島へといってみるとRW22を使用していた。RW22使用時は、完全に順光状態になるのは13〜14時以降である。トホホ・・・っと感じながら、いつもの習慣で何気なく撮影準備だけは整えていた。後々考えると、この事前準備行為は極めて重要であった。

持て余しエアバンドをイジクッていた。通常の撮影時には、「アプローチ」or「タワー」を聞いているが、この日はトラックドライバー達の違法無線を傍受して楽しんでいた。まったくもってつまらない話をしているものだな、なんて思いながらいつの間にやら周波数は「羽田デパーチャー」になっていた。この時不思議な会話が聞こえてきた。

「あそこに大島が見えるでしょ」
「ほらあっちには江ノ島も見えるよ」
おもいっきり日本語であった。しかも、口語調。

なんじゃこりゃ???
なんでデパーチャーの周波数で遊覧飛行の実況中継しているのだ???
この時はまったく事態の状況が掴めずに「違法無線が混線しているのかな?」くらいにしか思わずエアバンドの周波数をいじり続けた。

しばらく時間が過ぎたがやはり「遊覧飛行」の会話が気になり、再び「羽田デパーチャー」に周波数を合わせた。

この時また訳のわからぬ会話が飛び込んできた。
先ほどとは違う声の日本語が聞こえてきた。
飛行機;「こちらNH61」
飛行機;「この周波数はデパーチャーですか?」
管制官;「デパーチャーです」
飛行機;「ランウェイは22ですか?」
管制官;「どのランウェイでもかまいません」
飛行機;「22に着陸します」
飛行機;「機長が刺されました」
飛行機;「救急車と警察の手配をお願いします」
管制官;「手配しました」
飛行機;「犯人は取り押さえました」

なにこれ?ハイジャック?
数分後、全日空機が見えてきた。ひとつ前を飛んでいたJDのA300はゴーアラウンド続いて、NH61便がRW22へ緊急着陸した。
すぐにRW22はクローズとなり、機体の周りには多数の緊急車輌が取り囲んだ。

この後の事件経緯は報道の通りです。
偶然にも悲しい事件を目の当たりにしてしまい、辛い気分のまま帰路についた。


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