28センチ榴弾砲は、明治時代に国産で大量生産された初期の大砲である。 榴弾砲は、斜め上に砲を向け砲弾を発射し、その砲弾は上から加速をつけ威力を増して目標に到達するものである。 28センチ榴弾砲の最大射程は7,800mで、日本各地の沿岸部の砲台に設置され、主に敵艦の接近を妨げる役割を持っていた。 また、その威力から日露戦争の旅順攻略の際にも持ち込まれるなど、当時の主要な大砲だった。 28センチ榴弾砲は、第4砲台中央の構造物上、東西両端に円形に窪ませた砲座に1つずつ据え付けられていた。 砲座に囲まれた中央には観測所と司令室がある。 観測所で砲弾を発射する際の距離と方向を測り、測量結果を司令室に伝え、司令室から両脇の砲座に具体的な指令が出されていた。 |