EF63 2 (旧)軽井沢駅舎記念館前(長野県 軽井沢町) 北緯36度20分34秒 東経138度38分04秒 |
||
昭和30年代、国鉄の輸送量の増大、速度向上の施策に伴い、それまでのアプト式鉄道に代わり急勾配線をレールと車輪による粘着のみにより、安全に押し上げて力行登板し、まや押し留めながら抑速降板できる粘着運転可能な電気機関車としてEF63型機関車が開発された。 日本の最急勾配(66.7パーミリ)線である横川〜軽井沢の碓氷峠専用の補助機関車として、本務機用EF62型機関車と同時に開発された型式である。 昭和37〜51年に試作車1号機を含む、総数25両が製造された。 特徴としては、他の機関車には見られない独特の特殊な保安装置が装備されている。 台車にはコイル励磁により電磁石をレールに吸着させる「電磁吸着ブレーキ」、列車暴走を防ぐための遊輪を用いた「加速度検知装置(OSR)」、勾配上で長時間停車した時にブレーキの空気圧が低下してもブレーキが緩まないための「ロックシリンダ装置」や「主電動機電機子短絡装置」により運転時に強力な発電制動が作動するなど、暴走事故を防止する幾重ものバックアップ機能を備えている。 また、架線停電時で保安装置が作動するよう大容量の蓄電池が備えられている。 横川〜軽井沢間の全列車に重連で坂下の横川方に連結し使用されたが、EF62型電気機関車や169系、189系、489系電車とは、全てEF63型電気機関車から制御され協調運転が可能であった。 これにより峠で輸送力を落とすことなく直通運転ができ、他の幹線系列車と同一の輸送力を発揮する輝かしい成果を挙げた。 平成9年9月まで活躍し、長野新幹線の開業によりその任を終えた。 |
主要緒元 |
|
重量 | 108.0t |
最大長さ | 18.050m |
最大幅 | 2.800m |
最大高さ | 4.052m |
主電動機 | 6個 |
主電動機1時間定格出力 | 425kw |
最高許容速度(粘着) | 100km/h |