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ミール



ミール
2009.09.20  旭町 科学センター(北海道 苫小牧市 旭町)

北緯42度37分54秒 東経141度36分20秒

平成10年9月、ロシア(旧ソ連)の宇宙ステーション「ミール」と実験モジュール「クバンド」の予備機が、苫小牧市科学センターに設置された。

これは苫小牧市の市制50周年を記念して、将来の苫小牧を担う子供たちのためにと岩倉建設株式会社より苫小牧市に寄贈されたものである。

翌年平成11年12月、展示保管施設として「ミール展示館」がオープンした。

ここに展示されている「ミール」は、1986年(昭和61年)2月20日に旧ソ連(現ロシア)が打ち上げた世界初の長期滞在型の宇宙ステーションの予備機である。

ミール本体に6個のドッキングポート(クバント・クバント2・クリスタル・スペクトル・プリローダー・ドッキングアダプター)を持つことにより巨大な宇宙構築物を作ることに成功し、無重力環境での様々な実験を行い大きな成功を収めた。

数度にわたる拡張を経て、1996年の「プリローダ」モジュールのドッキングにより完成を向かえた。

単独でも宇宙ステーションとして機能できるように居住スペース・操縦室・生命維持システム・太陽パネルによる動力システムを備えている。

宇宙ステーションは、人間が宇宙で長期に滞在することができる巨大な人工施設である。

数年間続けて地球周回軌道にとどまり、宇宙での住まいや研究のための実験室の役割を果たす。

宇宙ステーション「ミール」の目的は、各種の科学実験や観測、無重量が人体へ及ぼす影響の調査であった。

1990年(平成2年)12月には、日本人初の宇宙飛行士 秋山豊寛氏が「ミール」に7日間滞在した。

「ミール」は設計寿命の5年を遥かに超えた15年間の運用で老朽化し、2001年3月23日14時57分、ニュージーランド東方2,000kmの南太平洋に落下し使命を終えた。

1986年にミールが打ち上げられてから、延べ100人以上の宇宙飛行士が滞在し、最終的には地球軌道を86,331回周回した。

実機は2001年(平成13年)に爆破され、地球に落とされたので、ここに展示されている「ミール(予備機)」だけが現存している。


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