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全日空のB37-500が民間機として初めての背面飛行を実施

2011年10月6日 午後10時50分頃、浜松市沖の太平洋上空を飛行中の全日空140便(那覇発 羽田行き)が急降下し、機体が一時左側に大幅に傾き、ほぼ上下逆さまの状態となって約1,900m降下した。

乗客112人と乗員5人に怪我はなかったが、その後6人が体調不良を訴えた。

運輸安全委がフライトレコーダー(飛行記録装置)を回収して解析した結果、トイレのため席を外していた機長がコックピットに戻ってきた際、副操縦士がドアの解錠スイッチと間違えて尾翼にある左右の方向舵を調整するスイッチを操作した。

機体は左側に最大131.7度傾斜、同時に機首も左に35度下向きとなった。

約1万2,500m上空を航行中だった機体は大きく旋回しながら急降下した。

右側の主翼が上になり、機体は自らの重力を支えられず、ほぼ裏返しになった。

機内では最大で地上の2.68倍の重力がかかっており、最高速度は国の制限値(マッハ0.82)を超えるマッハ0.828に達していた。

副操縦士が機体の体勢を立て直し終えたとき、機首は当初の進行方向とはほぼ反対になっていたとみられる。

乗客にけがなかったことについて、「深夜のため乗客はシートベルトをして着席していたとみられ、遠心力で座席に吸い付けられるような格好になり、影響が少なかったのではないか」と指摘されている。

また「夜間で外の景色が見えず、背面飛行に気付かなかった可能性もある」とされている。

事故機(JA16AN)


JA16AN  B737-781
2010.11.29  福岡空港にて撮影


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