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小型機 JA5299 長崎空港A滑走路上にかく座

20002年11月19日(火)、訓練飛行のため、教官及び訓練生が搭乗し有視界飛行方式により、午前9時41分長崎空港A滑走路RW18を離陸し、同空港B滑走路で右エンジン模擬不作動状態での着陸訓練を実施中使用滑走路を変更して、午前10時24分ごろ同空港A滑走路RW36へ左エンジン模擬不作動状態で胴体着陸し、A滑走路中央付近にかく座停止した。

教官ほか訓練生1名計2名が搭乗していたが、死傷者はなかった。

機体は中破したが、火災は発生しなかった。

本事故は、左エンジン模擬不作動状態での訓練中、訓練生が脚下げ操作を失念し、また、教官も脚下げ操作の確認を失念したため、脚上げのまま滑走路へ進入し、胴体着陸となり機体を損傷したことによるものと推定される。

 なお、訓練生及び教官が脚下げ操作及びその確認を失念したことについては、以下のことが関与したものと推定される。

1.左エンジン模擬不作動状態で最終進入中、脚下げ操作のための警報音が連続して鳴動していたが、この警報音は、周回進入中も左エンジン出力を絞っていたことから鳴動し続けていたため、教官及び訓練生は、脚下げをしなければならない時期に至っても、脚下げ操作をすべきことに気付かなかったこと。

2.左エンジン模擬不作動状態での訓練中、操縦の難しい飛行形態であり、かつ操作が煩雑だったこと、及び脚下げ操作の地点が変更となり、脚を下げるべき時期に交通が輻輳していたこと等により、ほかの操作に意識が集中していた。これらのことから、ノーマル・トラフィック・パターン等の手順に基づく脚位置灯及び GEAR UPアナウンシエーターについての基本的な点検、確認及びランディング・チェック・リストの呼唱、確認並びに最終進入における点検確認が訓練生により行われなかったこと、並びに訓練生に対してそれらを実施することの指導等が教官により行われなかったこと。

事故機(JA5299)


JA5299
2007.12.06  鹿児島空港にて撮影



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