スポッターズ的ひこうき写真館                                                艦船


海上自衛隊 海洋観測艦 ふたみ型

「ふたみ」
1979.02.27就役

AGS5102
「わかさ」
1984.08.21 起工
1985.05.21 進水
1986.02.25 就役

AGS5104

海上自衛隊初の海洋観測艦「あかし」の改良型であり、音響測定能力の強化が図られている。

対潜作戦、対機雷戦に必要な海洋、気象、潮流、海底地形、水質、地磁気などのデータを収集解析する。

観測機器としては採水器、採泥器、水温記録器、海底音波探査機、音響測深儀、電磁海流計、磁気流向流速計、遠隔温湿度計、風信儀、塩分測定機、海中雑音測定装置、気象用ファックス、気象用無線テレタイプ、TSピンガー、STDVなどがある。

艦型では、艦首部に設置されているケーブルシープ(滑車)が特徴的で、ここから艦内に格納されているケーブルを引き出して海底に敷設する。

NTTの海底線敷設船に類似した艦容であり艦内にはケーブル格納庫を持っている。

「ふたみ」と「わかさ」は同型艦であるが、搭載レーダーなど外観上の相違点も多い。

艦名は、名所旧跡(海浜、浦)の名称より、伊勢「二見が浦」、京都「若狭湾」に因んで付けられている。

AGSとはOceanographic Research Shipの略号

AGS5102 ふたみ 1979年2月27日 海洋業務群横須賀所属


主要諸元
基準排水量 2,050t
満載排水量 3,175t
全長 97m
全幅 15.0m
深さ 7.6m
喫水 4.3m
速力 16kt
乗員 105名
主要兵装 海洋観測装置一式

〜〜〜海洋業務群について〜〜〜
果てしなく広がる大海原の中で、潜水艦を見つけ出すことは至難な技であり、大量に積まれたワラの中から1本の針を探すに等しいと言われている。

そのためには、普段から潜水艦の行動する海域や、潜んでいそうな場所の地形、海象、気象などの海洋状況を調査・把握し、熟知しておく必要があり、各国とも海洋調査にカを入れている。

「対潜水艦作戦」を重要任務にしている海上自衛隊でも例外ではない。

この対潜戦の逐行に必要な海上、海中、海底に関する海洋のあらゆる情報を収集・分析し、得られた各種のデータを艦艇部隊や航空部隊に提供することを主任務にしているのが海洋業務群である。

電波や光が通りにくい水中では、潜水艦を捜索・探知する有効な手段は「音」であり、対潜戦の決め手として水中音響が重要視されている。

ただ、水中での音の伝播は非常に複雑で、対潜戦の遂行に大きな壁となっている。
とりわけ、日本周辺海域の海洋気象環境は混み入っている。

海底の地形、深度差、季節による温度差、波浪、潮の流れ、塩分濃度などの影響で、音は反射、曲折、散乱、増減したりと様々に変化する。

海洋業務群は、日本周辺海域のこれらの諸現象を詳細に調査しているが、特に重視している業務に「潜水艦用海洋図誌」の作成がある。

海洋図誌は、日本周辺海域を碁盤の目のように区分けし、一区画ずつシラミつぶしに調査していくもので、海上自衛隊が有効な対潜戦を逐行するための最重要なデータとなっており、調査は現在も続けられている。

同群は対潜戦用データのほか、艦艇部隊と航空部隊に日常の気象情報や水路情報の提供も行い、対機雷戦に必要なデータも作成している。

司令部を横須賀の陸上に置き、隷下に海洋情報を収集する海洋観測艦「ふたみ」「すま」「わかさ」「にちなん」、音響測定艦「ひびき」「はりま」、敷設艦「むろと」の7隻を保有している。

また、海洋観測艦などが得た情報を分析・処理・整理し、海洋図誌、気象図などを作成する対潜資料隊と気象資料管理隊がある。
その他に沖縄海洋観測所、下北海洋観測所がある。

海洋観測艦は海象、気象、潮流、水質、海底地形、地磁気などのデータを収集・分析するため海洋観測調査用の特殊装置や器材を搭載しているほか、音響測定も行う。

敷設艦は水中聴音器の敷設・揚収を任務としており、音響測定艦は潜水艦の音紋を収集する。



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JMSDF Japan Maritime Self Defense Force AGS5102