陸上自衛隊装備 155mm榴弾砲 FH-70
一般に榴弾砲とは重量のある弾丸を高い弾道で飛ばし山越えの相手を射撃するといったタイプの火砲の総称である。 FH-70は2000年までに約470門が調達され、師団、旅団、混成団の特科連隊や特科隊、特科大隊にに配備されている。 ごく標準的な野戦作戦において歩兵部隊や戦車部隊が敵陣に突撃する前には、まず「攻撃準備射撃」という作戦が実施される。 敵陣に向けて重火力を誇る野戦重砲による集中射撃を行い叩くのである。 陸上自衛隊ではこうした任務を担う部隊を野戦特科と呼んでいて、野戦特科部隊の主力装備がFH-70こと155mm榴弾砲である。 最大射程は通常弾で24km、特殊なロケットブースターを装着した噴進弾を使うと射程は30kmまで伸びる。 砲弾の破壊力も大きく、一発で相当の破壊半径を持つ有力な砲である。 長距離移動の際にはトラック等で牽引しなければいけないが、陣地内での短距離の移動といった場面では搭載している小型の自走エンジンによって単独で移動することも可能である。 この火砲を牽引するのは74式特大型トラックをべースに開発された専用車であり、ホイールベースを縮小し機動性を向上させると同時に砲の整備や弾薬の積みおろしなどに活用できる小型クレーンを装備しているのが特徴である。 荷台には砲弾、装薬、整備用機器、交換部品などを搭載し、操作要員もこれで移動するようになっている。
トップへ 戻る
|