2008年にロシアから初輸入された二重反転ローター双発の大型ヘリコプターである。 カモフはアメリカのカマンと並んで二重反転ローターヘリコプターのパイオニアで、わが国にも30年前に旧型のカモフKa-26が輸入され、農薬散布等に用いられた実績がある。 Ka-32は1970年代から開発が始まり、重量物の輸送、最大24人乗りの人員輸送、消防などの目的のために様々なタイプが用意されて、ロシアばかりでなく、世界的に販売されている。 日本に輸入された32A11BC型は当初、カナダからの発注によってカナダの型式証明を取得するように改修され、1999年に型式証明を取得した。 ロシア製のヘリコプターが西側の型式証明を取得したのは、これが初めてであった。そのために、日本での運用も可能になった。 2,200軸馬力のターボシャフト・エンジン2基、機体重量6.6トンは3発機のアグスタEH101を除けば、日本の民間ヘリコプターの中では最も機体重量が重く、吊り下げ能力は5トンに達する。 二重反転ローターのためにテイルローターが不要で安全性に優れ、特に吊り上げ能力が大きいために重量物の運搬に適している。 登録数は1機(2008年8月末現在) |
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主要諸元 |
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エンジン | クリモフTB3-117×2 |
メインローター直径 | 15.9m×2 |
全高 | 5.45m |
胴体全長 | 11.27m |
全幅 | 4m |
メインローター面積 | 198.5m2 |
機体重量 | 6,610kg |
最大重量 | 12,700kg |
搭載量 | 8,700kg (吊り下げ分5,000kgを含む) |
最大速度 | 260km/h |
最大巡航速度 | 240km/h |
ホバリング限界高度 | 3,500m |
実用上昇限度 | 6,000m |
航続距離 | 800km |
乗員 | 2名 |
乗客 | 16名 |
製造 | カモフ |
初飛行 | 1980年10月 |
KAMOV Ka-32A11BC |