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Ilyushin IL-62M

1962年に機体計画が明らかにされた4発エンジンの長距離機で、エンジンを2基ずつを一つにまとめて後部胴体左右に配置するという、イギリスのVC10と同じ機体構成を採用している。

VC-10は、ボーイングやダグラスなどのライバル機に負け少数機しか造られなかったが、IL-62は東側諸国のエアラインで多数採用され1994年までに約280機が生産された。

尾翼はT字型で、主翼は比較的後退角のきつい後退翼である。

原型機は1963年1月3日に初飛行したが、搭載を予定していたNK-8ターボファンエンジンの開発が間に合わず、AL-7を装備していた。

NK-8を装備した2号機は1964年末に初飛行したとされているが、その後もエンジンの開発に問題が付きまとい、実用就航を開始したのは1967年9月のことであった。

1971年6月には、エンジンをより推進力の大きなD-30KUに変更するIL-62Mが発表されて、1974年から実用就航を開始した。

その最大離陸重量を引き上げて、客室の設計も近代化して195席を設けられるようにした改良型がIL-62MKであるが、製造機数は少なかった。

1985年にはIL-62Mの航法装置が一新されて3基の慣性航法装置を備えるようになり、1991年以降ではGPSの導入も開始された。

実用化以来、旧ソ連の貴重な長距離旅客機として多くの路線に投入された。

 ロシア 要人特別機
 ウクライナ 要人特別機
 クバナキューバ航空
 スーダン 要人特別機
 ガンビア 要人特別機


主要緒元
全長 53.10m
全幅 43.20m
全高 12.35m
主翼面積 279.6m
機体重量 71.6t
最大離陸重量 165.0t
巡航速度 850km/h
航続距離 7,800km
乗員 5名
標準座席数 174席
初飛行 1963.01.03(原型機)


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