「海龍」は世界初の有翼潜水艦である。 水中を飛行機のように自由に潜航・浮上することを目指して開発されたもので、操縦装置も飛行機と同じものを使用していた。 呉海軍工廠などでは潜航実験や研究・開発が行われ、横須賀海軍工廠と海軍工作学校を中心に建造された。 後期量産型では艦首に600kgの炸薬を装備し、両脇に抱えた魚雷発射後、目標の艦艇に突入する「水中特攻兵器」となっていた。 展示されている「海龍」は、昭和20年(1945年)、静岡県網代湾で艇尾部にアメリカ海軍航空機のロケット弾(不発弾)の直撃を受けて沈没し、昭和53年(1978年)5月27日に引き揚げられたものである。 |