日本工業大学工業技術博物館 埼玉県 南埼玉郡 宮代町 学園台 4-1 北緯36度01分42秒 東経139度42分47秒 |
2017年 | |||
明治24年にイギリスのダブス社で製造された2100形蒸気機関車である。 2100形には、同一設計の2120形、ドイツ製2400形、アメリカ製2500形が存在し、これらは「B6」と総称され、総数500両以上が輸入された。 展示されている車両は、2100形の9号機であったため、2109号と呼ばれ、初期のものである。 特徴は、スチブンソン式弁装置、リベット接合ボイラーなど、当時の様々な先進の技術を駆使して造られた美しいプロポーションを持つC1タンク機関車である。 設計・性能ともに優れていたため、東北本線・中央本線などの幹線で使用され、昭和30年代まで活躍する長寿ぶりを示した。 引張力は、時速32.2km、1/100勾配で310トンと設計上算定されている。 反面、1C1(先輪1、動輪3、従輪1)機関車に比べ、先輪がないため第1動輪に負荷がかかりすぎ、また水や石炭の増減により重量バランスが壊れやすい欠点があった。 平成4年に学術的文化的に貴重な産業遺産として産業考古学会より認定された。 動態保存のため修復作業は大井川鉄道株式会社の熟練した技術者により全工程が手作業で行われた。 有火運転は、毎年秋に開催されるライブミニSL大会期間中に、約100mの本軌道上で執り行われる。 |
略歴 |
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明治24年 | イギリスのダブス社で製造され、日本鉄道が輸入 |
明治39年 | 日本鉄道が日本国有鉄道となり、東北本線・中央線などで活躍 |
昭和 3年 | 西濃鉄道に移籍 |
昭和45年 | ディーゼル機関の台頭により、廃車となる。 しかし、その歴史的価値を保存する声が鉄道友の会からおこり、大井川鉄道が応じた。 日本の蒸気機関車の動態保存の先駆けとして千頭〜川根両国を運転 |
昭和51年 | 静態保存に切り替え、千頭駅や金谷駅構内で展示・保存 |
平成 4年 | 産業考古学会より産業遺産として認定される。 学校法人日本工業大学への寄贈が決定され、大井川鉄道において動態保存のための修復作業を開始 |
平成 5年 | 日本工業大学工業技術博物館で動態保存 |
主要諸元 |
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弁装置 | スチーブンソン式 |
シリンダ数 | 2気筒 |
シリンダ直径 | 406mm |
シリンダ行程 | 610mm |
ボイラー圧 | 9.8kg/cm2 |
煙管 | 45mm×18本 |
伝熱面積 | 92.2m2 |
火格子面積 | 1.31m2 |
動輪直径 | 1,219mm |
従輪直径 | 940mm |
ブレーキ | 空気および手ブレーキ |
馬力 | 約400PS |
最高速度 | 時速65km |
全長 | 10,439mm |
全高 | 3,810mm |
全幅 | 2,438mm |
重量 | 39.5トン |
水タンク容量 | 7.8m3 |
燃料積載量 | 1.9トン |
運転整備重量 | 49.2トン |
製造所 | イギリス・ダブス社 |
製造年 | 明治24年 |