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北海道エアシステムが地上に大接近

北海道・奥尻空港付近で2011年6月4日 午前11時25分ごろ、北海道エアシステム(HAC) 2891便(函館→奥尻)が地上約30mにまで接近、対地接近警報装置(GPWS)が作動するトラブルが発生した。

当該機は奥尻空港への着陸態勢に入った後、高度約200mの上空で雲で視界が悪かったため奥尻空港への着陸のやり直しを決め下降したところ、機体の沈下率の増大を知らせるGPWSの警報が作動した。

その直後に機長が操縦桿を引いて急上昇させたが、地上まで約30mにまで迫っていた。

機長は「高度を上げたつもりだった」と話しているが、高度計は正常に作動しており、操作ミスが原因とみられる。

機体は急上昇時に限界以上まで負荷がかかった可能性があり、運航を取りやめて点検を行った。

乗客10名と運航乗務員2名、客室乗務員1名に怪我はなかった。

事後調査により、当該機は通常の着陸時の約2.7倍の降下率で急降下していたこと判明した。

急降下した時の降下率は、1分当たり約460メートルで、運用規定では着陸時の降下率を1分当たり約170メートルと定められている。

また、速度も規定を約150キロ超過し、時速約370キロで飛行していた。

 回避操作をしなければ、1秒未満で地上に衝突した可能性が大きく、相当深刻な問題となった。 

事故機(JA03HC)


JA03HC  Saab-340B
2006.05.20  新千歳空港にて撮影


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