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海上自衛隊 護衛艦「ゆうぎり」艦内のトイレで隊員が死亡

2010年6月9日 午後7時35分ごろ、ソマリア沖の海賊対策にあたる海上自衛隊の護衛艦「ゆうぎり」艦内のトイレで、隊員の3等海曹(23歳)が倒れているのを同僚の隊員が発見した。

3等海曹は意識不明で、護衛艦の艦載ヘリコプターでジブチにあるフランス軍病院に運ばれたが約3時間後に死亡が確認された。

「ゆうぎり」は海賊対策の第5次隊として2010年5月8日に大湊基地(青森県)を出港、同日は民間船舶の護衛を終え、活動拠点のジブチ沖約45キロを航行中だった。

この事故は、トイレの下にあるし尿処理タンクで発生した硫化水素が個室内に逆流し、中毒死した可能性が大きいとされている。

「ゆうぎり」のし尿処理設備は、タンク内のし尿をバクテリアの作用で分解して海中に投棄、タンク内で発生する硫化水素などの有毒ガスは、排気管を通じて艦外へ出す仕組みとなっている。

海上自衛隊が事故調査委員会を現地に派遣するなどして原因を調べた結果、バクテリアによるし尿の処理作用が不十分で、高濃度の硫化水素が発生し、何らかの原因でガスの排気管が詰まったため、タンク内に充満した硫化水素がトイレの個室内に逆流した可能性が大きいことが判明した。

海上自衛隊では「前例のないトラブル」としており、さらに詳しく事故原因を究明するとともに、し尿処理設備に構造上の問題がないかも含めて調査し、艦内に同種のし尿処理設備があるイージス艦など艦艇数十隻の安全点検を行った。

当該艦(あさぎり型 DD153「ゆうぎり」)


DD153  ゆうぎり
2003.10.24  相模湾沖 観艦式予行にて撮影


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