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ワン ツー ゴー MD-82 着陸に失敗 大破・炎上

2007年9月16日、現地時間の午後4時頃、タイのプーケット国際空港でワン・ツー・ゴー航空のマクドネル・ダグラスMD-82がランウェイ27への着陸に失敗して大破・炎上した。

この機体には乗員7人と乗客123人の計130人が乗っていたが、90人の死亡が確認されている。

この機体は、ワン・ツー・ゴー航空(OG)の国内線定期便OG269便として、午後2時30分頃にバンコクのドン・ムアン国際空港を離陸し、プーケットに向かった。

事故当時プーケット国際空港は激しい雨が降っていて、また12kt程度の西風が吹いていたとされている。

前述のように、プーケット国際空港の滑走路方向は09/27なので、着陸時にはほぼ正面からの風となる。

ただ悪天候であったことは確かで、ウィンドシアが発生していた可能性も高く、実際に地上の管制官はOG269便のパイロットに対して、ウィンドシアに注意するよう警告を出していたと報じられている。

また当初の情報では、パイロットはいったん着陸をあきらめて、ゴー・アラウンドを行おうとしていたともされていた。

ほかにも、着陸時に2、3回滑走路上でバウンドした後、滑走路を外れて地面に激突したとの目撃情報もあり、生存した乗客も数回弾んだとインタビューなどに答えている。

ワン・ツー・ゴー航空は、2003年12月3日に設立された新興航空会社で、オリエント・タイ航空の格安航空運賃を提供する子会社。

オリエント・タイ航空は1995年に設立されており、今日では国際線をオリエント・タイ航空が、国内線をワン・ツー・ゴー航空が運航している。

オリエント・タイ航空、ワン・ツー・ゴー航空ともに、設立からさほど年数が経っていないこともあり、これまでに重大な航空事故は起こしておらず、機体の全損事故、および死者を出した事故はこれが始めてであった。

事故を起こしたOG269便の使用機材は、マクドネル・ダグラスMD-82(HS-OMG、製造番号49183)で、初飛行は1983年11月17日。

この機体を発注していたのはTWA航空で、1983年12月20日に引き渡されて、N912TWの登録記号を有していた。

1985年6月にはGATXに、1998年1月にはPLMに所有権が移転しているがTWAによる運航は続けられ、さらに2001年4月にTWAとアメリカン航空が合併した後は、2001年12月2日付けでアメリカン航空の機材としての登録変更が行われて運航が続けられた。

しかし、2004年10月16日にアメリカン航空のフリートから退役して保管状態となり、2006年12月5日にはウェルス・ファーゴ・バンク・ノースウエスト(WFBN)に売却されている。

機体は、その後再整備されて、2007年2月12日にバンクーバーに、2007年2月13日にはペトロパブロフスク・カムチャツキーに移動していることが確認されている。

2007年3月9日にはグランド・マックス・グループに売却される事になったが、この商談はキャンセルされた。

一方で、2007年3月13日にはこの機体をワン・ツー・ゴー航空が入手しており、HS-OMGの登録記号が付与された。

2007年4月15日には所有権がDMKに移行していた。

なお、今回の事故は、MD-80シリーズ(MD-81/ MD-82/ MD-83/ MD-87/ MD-88)としては22件目の全損事故で、MD-82だけでみると11件目の全損事故となった。

同型機 (事故機はHS-OMG)


HS-OMA  MD-82
2006.07.05  羽田空港にて撮影


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