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全日空 DHC-8 胴体着陸

2007年3月13日午前8時10分に大阪空港を離陸した全日空1603便(乗員4人、乗客56人)が高知空港上空で前の車輪を下ろせなくなった。

当該機は手動によるギアダウンや、着陸の衝撃により前脚を下ろす狙いでタッチアンドゴーも試みられたが失敗に終わった。

当該機は高知空港の上空で数十回にわたり旋回し燃料を消費して火災のリスクを減らし、車輪が下りない状態で二つある後輪だけで午前10時54分に着陸した。

着陸の際に機体前方から少し火花も見えたが、火災などは起きず死傷者も出なかった。(乗員4名、乗客56名)

全日空によると、胴体着陸をした機体の登録番号はJA849A、製造番号4106で2005年6月12日に製造され、納入は2005年7月18日。

2007年3月10日現在の総飛行時間は2,966時間52分で、着陸回数は4,197回であった。

事故原因の解明には、乗員への聞き取りのほか、デジタル式飛行記録装置(DFDR)ぴょび操縦室音声記録装置(CVR)の解析のほか広範囲な調査が行われた。

前脚扉が開かなかったことは、トグル リンクのヒンジ部からスペーサーが抜け出し、サポート フィッティングと緩衝してトグル リンクの動きが阻害され、且つ、このために前脚扉開閉リンク機構全体の動きが拘束されたものである。

スペーサーが抜け出した事は、ボルト、ナットなどが装着されていなかった事から、当該機の運航期間中に前脚の上げ下げ、機体振動、機体加速なその影響を受けて、トルグ リンクからスペーサーが徐々に機体後方に抜け出す向きの力が働いた事によるものと推定されている。

ボルト、ナットなどが装着されていなかった事は、航空機製造過程の不具合修理において、それらの部品の再取り付けが行われなかった事によるものと考えられる。

なお、前脚のトグル リンクにアクセスして行う点検作業が設定されている定時整備は4,000時間ごとのC整備で、当該機はその時期には至っていなかった。

この為、主原因は製造元であるボンバルディア社に起因する。

この調査結果を受け、航空鉄道事故調査委員会は、カナダ運輸省に対し、ボンバルディア社の品質管理体制、特に不具合修理に関する品質体制を更に強化するようにとの安全勧告を行った。

事故機(JA849A)


JA849A  DHC-8-402
2006.04.07  福岡空港にて撮影


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